聞き飽きているわけです。

ところが映画について監督が語りだすと、どうしても“説明”になってしまう。
とくに僕があまり好きではない作品については“言い訳”に聞こえるところが不思議。
好きな映画(たとえば「続・激突 カージャック」など)は、トリビアがきらきら輝くのに。
スタジオにもぐりこんだいたずら小僧が、大学で作った映画を認められてスタジオに呼ばれる。この部分に大きな落差があります。
実はこの“飛躍”を語らないとドキュメンタリーの本質に至らないと思う。
たしかに少しだけ挿入される“自主映画”が、かなりアマチュア離れしていることは分かりますが、そこに至ったスピルバーグの本心を聞き出すことがこのドキュメンタリーの主眼ではないのか。
自作についての“言い訳”は、もうあちこちで聞き飽きているわけです。