基本をきちんと持った監督だと思います。

父親のベネット氏は、次女の母親とは違う雰囲気を愛している。そんな描写がなかなか面白い。
明治維新以後、日本にも導入された公候伯子男の爵位ですが、この映画が描く本家イギリスではそんな肩書きだけではないとてつもないヒエラルキーを感じます。
日本で言えば、箸の上げ下げで人格が問われるようなもの。でも今や日本にはそういうものは存在しません。←僕の周囲だけか? それとも僕が存在しないと思っているだけか?(笑)
ジョー・ライト監督はこのあと「つぐない」という、トリックめいた筋立ての恋愛劇を楽しく見せてくれました。「路上のソリスト」は、いささか僕の好みではないのですが、音楽と映像で楽しませるという基本をきちんと持った監督だと思います。